仕舞い込んでいた色
生まれ変われるならイソギンチャクになりたい。
これは私が常日頃から言い続けている答えだ。
一発目でイソギンチャクと出る変わり者は限られているから、
友だちがみたら私のことだとわかるのかもしれない。
でもイソギンチャクになりたいからといって現世で今何かをしているわけではない。
イソギンチャクになるためには?
ゆらゆら揺れればいい?
カクレクマノミを飼えばいい?
そもそも、イソギンチャクに意識はあるのだろうか。
とまあ、ここまで話をしておいてなんだが
私は死後の世界はないと思っている。
お化けがいるいないは別の話として、
死んだ後まで意識があるなんて絶対に嫌である。
しかも私は前世の記憶がないからスッポリ忘れてしまっているのだ。
なんて馬鹿なことを。
まるで一つの宗教のように、私には死に対して確固たる概念がある。
死とは凍結である。
この歳にもなると数度、身内が亡くなるのを見た。
その度に凍結していると感じた。
魂が抜けたなんて、全くのデタラメである。
永い眠りという言葉が一番しっくりくる。
つまり、死後の世界はないと私は思うのだ。
救いでも解放でも堕落でもなく、全て現世のものでしかない。
一回しか生きていない。
ただし犬は別だ。
犬だけは何回も生まれ変わってやってくる。
ワンダフルジャーニー、あれは実話だ。